2015年7月28日火曜日

日本の先生の給料は世界一


せっかくなので給料についても考察してみましょう。上の表は勤続15年の給与の国際比較。購買力平価による米ドル換算なので国際比較をするには一番客観的な資料。日本はOECD平均を大きく上回り、トップクラスです。

注意しなければならないのが、上記の表には諸手当が含まれていない点。例として、大阪府教員のモデル年収額を見てみましょう。これによれば、45歳小・中学校教員の年収は710万円ですが、これは給料、地域手当、期末勤勉手当の合計です。国際比較には、地域手当(44,000円×12か月分=528,000円)は含まれていません。そのほかに、扶養手当、住居手当、通勤手当で約20,000円×12か月=240,000円が追加で支給されています。比較に出てくる国々ではこのような手当は存在しません。日本独特の手当です。

さらに、財務省が配布しているこの表には大きなカラクリがあります。公務員に支給される最大の手当、退職手当です。大阪府のケースで約2,400万円支給される退職手当がこの国際比較ではまったく考慮されていないのです。

海外でも退職手当ぐらいあるだろうと思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。退職後に受け取れる年金制度はありますが(これは日本の公務員にもある)、日本のような退職時に一時金として手当を出すような制度は存在しないのです。大阪府の例でみれば、新卒で38年働いたとすれば、年間64万円(2,400万円÷38年)が上乗せされている計算になります。

こうした日本独自の手当が国際比較には盛り込まれていないのですが、それでも日本の教員の給与は世界トップクラス。いかに優遇されているかがよくわかります。

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